色彩の基本理論
色の心理効果
私たちは色を見て、「柔らかそう」とか「硬そう」と感じるものです。これは 色を見る、という視覚と、物を触るという触覚、あるいはその体験が結びついているからです。このような異なる感覚の結びつきを共様性といいます。
このような色の持つ特性を意識して、色を選択するべき場合も多いでしょう。
主に色相から影響を与えられる場合
色の三属性の内 色相(色味)の違いにより 受ける感覚が異なってくる事例です。
暖色 ー 寒色
色の寒暖感は 皮膚感覚と視覚が結びついたものです。
赤、橙、黄の色相は暖かく感じ、青系の色相は冷たく感じます。
緑、紫、無彩色のような 寒暖を感じない色は 中性色といいます。

膨張色 ー 収縮色
膨張色は実際より大きくふくれて見える色です。
明るい色ほど大きく見え、白が最も膨張してみえる色です。暖色系の色の方がふくれてみえます。
収縮色は実際より小さく見える色です。
明度の低い色ほど小さく見え、黒が最も収縮してみえる色です。寒色系の方が小さく見えます。
膨張色と収縮色は 明度によっても左右されます。

進出色 ー 後退色
進出色は同じ位置にありながら 近く手前にあるように見える色です。
一方、後退色は 遠くにあるように見える色です。
進出色と後退色は ほぼ上述膨張色・収縮色と一致しますが、暖色か寒色かに左右されるところがあり、一般的には暖色系が進出色、寒色系が後退色といわれます。
また、同じ色相内では 明度の高い色の方が明度の低い色より進出してみえるように 明度にも関係します。

主に明度・彩度から影響を与えられる場合
色の三属性の内 明度・彩度の違いにより 受ける感覚が異なってくる事例です。
トーンにも関わってきますので、トーン(色調)とは もご参照下さい。
軽い色 ー 重い色
色の軽重感は 筋肉組織の感覚と視覚が結びついたものです。
暗い色は重たく、明るい色は軽く感じます。色の 重い・軽いは色相にはほとんど左右されず、明度で決まります。
ある工場で黒い色に塗られた箱を従業員に運ばせていたところ、「重くて仕方がない」というクレームが絶えなかったそうです。そこで、同じ大きさ、同じ重さの箱を明るい色に塗り替えたところ「今度の箱は軽くて楽だ」と言って、作業が順調に進んだそうです。
色が 具体的かつ肉体的な重量感にも影響したという事例です。

柔らかい色 ー 硬い色
色の硬柔感は 触覚と視覚が結びついたものです。
色の硬い・柔らかいという印象は明度に左右され、明度の高い色は柔らかく感じ、明度の低い色は硬く感じられます。あまり明るくなりすぎると柔らかい印象はなくなります。
色相による硬柔の影響はほとんどありません。

強い色 ー 弱い色
色から 受けるインパクトの強弱も異なってきます。
彩度が高い色や暗い色は 印象として強く感じます。
彩度が低く明るめの色やあいまいな中間色は 弱く感じます。

派手な色 ー 地味な色
彩度が鮮やかな色は派手に見えます。低彩度の いわば濁った色は 地味に見えます。
派手かどうかは、彩度に大きく左右されます。
彩度が低い色は、明度に影響されることなく地味な印象を与えます。
ベージュや桜色などは、地味な色味と言えますが、陰気という印象は与えません。
そのように、色合いによって、また 配色によってもこの印象は大きく変わるでしょう。
色の三属性と心理効果のまとめ
| 心理効果 | 色相 | 明度 | 彩度 |
|---|---|---|---|
| 寒・暖 | ○ | ||
| 膨張・収縮(大・小) | ○ | ○ | |
| 進出・後退(遠・近) | ○ | ○ | |
| 軽・重 | ○ | ||
| 硬・柔 | ○ | ||
| 強・弱 | ○ | ||
| 派手・地味 | ○ |
